思い出

記憶において大人は子供に勝てないもの。

この年になってくると物忘れが多くなってきます。

ひどい場合、忘れていることすら分からないこともありますので気をつけましょうね、というお話。

長押(なげし)。

ウチは基本的に居間で食事をします。そして居間は和室です。

和室って壁の天井近くに長押(なげし)というモノが備わっていますよね。我が家にも、あります。

他所のお宅もそうかもしれませんが、我が家ではそこに写真を掛けています。

誕生日会の写真やお正月に餅つきをしている写真、またお正月に実家で撮った集合写真などなど。

けっこうな数の写真を掛けています。

夏、晩ごはんを食べているときの話。

ある日、晩ごはんを食べている時のこと。

子供たちが「あのTシャツ見なくなったよねー」と、長押に掛けてある写真を指さしました。

3人の男の子が笑顔でならんでいる写真。真ん中には長男。

それは学童保育の”お誕生日会”で、長男が小学2年生のときに撮ってもらった写真でした。

で、子供たちがいうTシャツというのが、ポーズを決めたウルトラマンゼロがプリントされた青いTシャツでした。

「あのTシャツ、なつかしいよねー」と、しきりに言っている。

4歳になったばかりの4男坊まで「そー、そー」とか言っちゃって。(可愛い)

「ああ、アレって、結局どうしたんだっけ?」

と、その写真を見たママが子供たちに訊きました。

そしたら子供たち「えっ!?」と、ちょっとびっくりした表情に。

忘れていることを、忘れている人。

ちょっと間をおいて、一番上のお姉ちゃんが

「みんなで遊んでた時にユウ(長男)が着てたらぁ、木の枝か竹が刺さって破れて、ママ、すっごい怒ったんジャン」と。

みんな”そーだ、そーだ”ってなってる。

「えぇ?わたし知らない」と、ママ。

「うそー!ママ、忘れたのー!?」と、子供たち。

「えー!あたし、知らないわ!?怒ったの、ママじゃないわ。」と、再びママ。

記憶の世界では大人は子供達には勝てないもの。

保育園年中さんから小学生には毎日が新しい発見の連続。

全ての出来事がこれからを生きていく為の貴重な経験のはず。

(そのくらい認めてあげればいいのに…)

あまりに頑なに認めようとしないママに業を煮やし

「おまえが忘れているだけで、記憶力を考えたら子供たちが言うことの方が正しいと思うよ。(震え声)」

と言いました。(よう言うた!)

すると、ママが

「えー!わたし、全然覚えてないよ!?パパは覚えてるぅ!?」

私に確認してきました。

「オレはその時は仕事かなんかで居なかったはずだよ。オレは知らないよ。だって居ないモン」って言ったら

「パパも居たよー!」「ママと一緒になって怒ってたじゃん!!」

って子供たちに総スカンでした。(゚∀゚lll)アラー

ママは高笑い。

物忘れって、イヤですね。というお話でした。

子だくさんパパ
Kouichi
新潟県の隅っこで暮らしている子だくさんアラフィフです。 若いころは子育て…というよりは子供に対して強く叱責してしまう自分に悩み、自己嫌悪していました。 実父であるじぃじの「みんな同じ。そんなモンだよ」の一言で救われました。今度はそれを伝えたくて、いろんな方法を今は考えております。
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